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坐骨神経痛の原因

坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)は、お尻から足につながる“梨状筋”(りじょうきん)を抜け足へ向かう末梢神経のひとつ「坐骨神経」に沿って起こる痛みやしびれのことです。
痛みの強さはさまざまで、時には鋭い痛みとなり、日常生活に支障をきたすこともあります。さらに、痛みを感じる部位も人によって異なり、腰・お尻・太もも・ふくらはぎ・すね・足先・膝の裏など、下半身全体に広がる可能性があります。
坐骨神経痛の原因は多岐にわたり、生活習慣、体質、年齢などが影響します。なお、坐骨神経痛は特定の病気を指すものではなく、これらの症状の総称です。
椎間板ヘルニア |
坐骨神経痛の原因として最も多いのが、椎間板ヘルニアです。 椎間板は、頚椎に7個、胸椎に12個、腰椎に5個の計24個あり、背骨の骨と骨の間に存在する軟骨で、クッションの役割を果たしています。 「ヘルニア」とは、本来あるべき部位から臓器などが「脱出・突出」した状態を指します。これはラテン語に由来し、「hernia」は「隆起」や「突き出し」を意味する言葉です。 つまり、椎間板ヘルニアとは、背骨の間でクッションの役割を果たす椎間板が脱出・突出してしまう状態を指します。飛び出した椎間板が神経を圧迫することで、腰痛やしびれなどの症状が引き起こされます。 |
脊柱管狭窄症 |
脊柱管狭窄症とは、神経を囲んでいる「脊柱管」と呼ばれる通り道が狭くなり、神経が圧迫されることで発症する病気です。これにより、下肢のしびれや痛みなどの症状が現れます。 特徴的な症状として、「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が挙げられます。これは、歩行を続けると痛みやしびれが強まり、休むことで症状が軽減するというものです。歩ける時間や距離、回復にかかる時間には個人差がありますが、前屈姿勢をとることで短時間で歩行が可能になる方もいます。 |
腰椎分離症 |
腰椎分離症とは、腰椎(背骨の下部)にある椎弓(ついきゅう)が疲労骨折を起こす状態です。腰椎は第1腰椎から第5腰椎までありますが、分離症は主に下部の腰椎(特に第5腰椎)で発生します。 スポーツなどで腰を反らす動作が原因となることが多く、特にスポーツをする若者や激しい運動を行う人に多く見られます。 |
分離すべり症 |
分離すべり症とは、腰椎分離症が進行し、腰椎が前後にずれる疾患です。 成長期のスポーツ活動が原因となることが多く、特に腰への負担が大きい競技では注意が必要です。 |
日常で出来る坐骨神経痛の予防法

リスクのある体勢を避け、適度な運動やストレッチを習慣にすること、肥満を防ぐことなど、一般的に健康に良いとされる行動が、そのまま坐骨神経痛の予防につながります。
また、ストレスは筋肉の緊張を引き起こすため、リラックスできる時間を意識的に作ることも大切です。
デスクワークが多い方は、椅子に座る際に姿勢を意識し、背筋を伸ばして座るようにしましょう。
立ち仕事の方は、長時間同じ姿勢を続けることでリスクが高まるため、こまめに休憩をとることが重要です。
坐骨神経痛についてよくある質問
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坐骨神経痛で痛いときは温めた方がいいのでしょうか、冷やした方がいいのでしょうか
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一概には言えませんが、炎症が強い場合は冷やし、少し落ち着いてきたら温めるのが効果的です。
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坐骨神経痛の時に楽な座り方はありますか?
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一般的には足の裏全体が床につくようにして、膝の角度が90°になるように椅子に腰かけると楽になると言われています。 また「あぐら」をかいて座るのも楽になります。
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食生活で坐骨神経痛を予防できますか
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ビタミンBやカルシウムやマグネシウムが不足すると、筋肉の動きが固くなり神経を圧迫してしまいます。